
- 価格
- ¥1,580(税込)/ +¥300で茶碗蒸し追加
- お時間
- 炊き上げに20分ほど
- 素材
- 米たまご‐明日‐ / 特別栽培米 / 池本醤油の無添加だし醤油
ひとつめ。
待つ時間まで、ごちそうに。


ご注文をいただいてから、一人分ずつ、釜でごはんを炊きはじめます。炊き上がりまでおよそ20分。飲食店としては、正直に言えば長い時間です。
それでもこの形にしたのは、炊きたてでなければ届かないおいしさがあるからです。ふたの向こうでお米がふつふつと音を立て、やがて甘い湯気が立ちのぼる。席にいながら、その気配がずっと続きます。
料理は運ばれてきた瞬間から始まるものだと思われがちですが、この一皿は、火を入れた時点でもう始まっています。待つ時間そのものを、献立の一部にしました。
ふたつめ。
ふたを開けて、卵を流し込む。


炊き上がったら、ふたを開けるのはお客様ご自身です。ぶわっと上がる湯気と、炊きたての香り。ここがこの料理のいちばんの見せ場です。
そこへ、溶いた卵を回し入れます。熱を持ったごはんに触れた卵が、みるみるうちにとろりと固まっていく。じゅわ、という音と、立ちのぼる香り。見て、聴いて、香って、それから味わう。五感が順番に動く数十秒です。
卵は、内閣総理大臣賞を受けた契約養鶏場の「米たまご‐明日‐」。国産米を食べて育った鶏の卵で、黄身が濃く、加熱してもコクが痩せません。この食べ方に耐えられる卵だから、生に近い状態で主役を張れます。
みっつめ。
仕上げは、神戸の醤油で。


最後にかけるのは、神戸で唯一の醤油蔵・池本醤油と共同開発した、無添加のだし醤油です。本醸造の醤油に、鰹・昆布・椎茸の出汁を合わせています。
親子丼というと甘辛い割下で煮るものを思い浮かべるかもしれません。当店があえてだし醤油で仕上げているのは、卵とお米そのものの甘みを、覆い隠したくないからです。味を足すのではなく、輪郭をつける。そういう役割の一滴です。
お好みで、追いだし醤油もどうぞ。ひとくち目とふたくち目で表情が変わります。